妊娠中の身体は刻々と変化し、むくみや腰痛といった不調に悩まされるママも少なくありません。
リンパマッサージはそうした症状の緩和に効果的ですが、時期や手技によっては母体や赤ちゃんへの影響が懸念されます。
この記事では、妊娠中のリンパマッサージはいつから受けられるのか、どのようなツボや施術を避けるべきか、安全な受け方と注意点を詳しく解説します。
妊婦さんがリンパマッサージを受けられる時期

妊娠中のリンパマッサージは時期によって対応が大きく異なります。まずは、妊娠初期・中期・後期それぞれの段階で押さえておきたいポイントを紹介します。
妊娠初期の施術は避ける
妊娠初期は子宮が不安定で、慎重な対応が求められる時期です。この段階でのリンパマッサージは、たとえ軽い刺激であっても身体への負担となる可能性があります。
多くのサロンでは妊娠16週未満の施術をお断りしています。これは母体と赤ちゃんの安全を最優先に考えているためです。安定期に入るまでは、自宅での軽いセルフケアにとどめることをおすすめします。
医師の許可を得ていても、サロン側が慎重に判断するケースがあります。これは妊婦さんの安全を第一に考えた対応なので、安心して相談してください。
妊娠中期以降はうつ伏せ・仰向けの施術を避ける
妊娠中期に入り安定期を迎えても、体位には細心の注意が必要です。お腹が大きくなるにつれて、うつ伏せの姿勢は子宮を圧迫し、赤ちゃんへの影響が懸念されます。
また、仰向けでの長時間施術は、大きくなった子宮が血管を圧迫して血液循環を妨げ、母体に不調をもたらします。
整体やボディトリートメントを受ける際は、横向きやシムスの体位(左側を下にして横向きに寝る姿勢)での施術を選びましょう。クッションで身体のバランスを支えるなどの工夫をしているサロンが安心です。
妊娠後期の注意点
妊娠後期は出産が近づき、身体がさらに敏感になる時期です。お腹の重みによる腰痛や足のむくみが強まる一方で、強い刺激は早産のリスクを高める可能性があります。
施術時間は短めに設定し、全身ではなく部分的なケアに留めるのが望ましいでしょう。
妊婦さんへのリンパマッサージの効果とは?

妊娠中の身体はホルモンバランスの変化や体重増加により、さまざまな不調が現れやすくなります。ここでは、妊娠中のリンパマッサージが持つ主な効果をみていきましょう。
腰痛改善
妊娠中はお腹が前に突き出すため、腰や背中への負担が増大します。リンパマッサージは筋肉の緊張をほぐし、血行を促進させます。
腰回りの疲れが和らぐだけでなく、骨盤周辺の調整にもつながり、身体全体のバランスが整いやすくなるのもメリットです。
痛みの緩和はママのストレス軽減にも直結し、リラックス効果を高めます。
足のむくみ改善
妊娠中は血液量が増え、子宮の圧迫により下半身の血流が滞りがちです。その結果、足のむくみが慢性化し、靴が履けないほど症状が悪化するケースもあります。
リンパマッサージは足裏や足つぼを含めた下肢全体を優しく刺激し、リンパ液の流れを促します。
むくみが解消されると見た目の変化だけでなく、身体の軽さを実感でき、日常生活の快適さに寄与するでしょう。
血行促進
妊娠中はホルモンの影響で血管が拡張しやすく、血液循環が滞る傾向にあります。そのため、リンパマッサージの優しい手技で皮膚や筋肉を刺激し、血行を促進させましょう。
血流が改善されると冷えや肩こりが緩和され、全身に酸素や栄養が行き渡りやすくなります。
さらに、母体だけでなく赤ちゃんへの栄養供給にも良い影響をもたらし、健やかな妊娠経過をサポート。フェイシャルやヘッドスパと組み合わせたコースも人気です。
リラックス効果
妊娠中は出産への不安やホルモンバランスの乱れから、精神的なストレスを抱えやすい時期です。リンパマッサージはハンドトリートメントによる温かな触れ合いが、心身の緊張をほぐします。
アロマテラピーを取り入れた施術は癒しの時間を提供し、ママのリフレッシュに大きく貢献します。リラクゼーション効果が高まると睡眠の質も向上し、妊娠中の体調管理に好循環が生まれます。
心地よい空間で受ける施術は、妊娠期間中の大切な自分時間となるでしょう。
妊婦さんが控えたいマッサージ

妊娠中は通常の施術と異なり、避けるべき手技やアプローチがあります。母体や赤ちゃんへの影響を考慮し、リスクの高い施術を理解しておくことが大切です。
ここでは、妊婦さんが控えたいマッサージの種類と理由を紹介するので、サロン選びの参考にしてください。
お腹に負荷がかかる施術
お腹周辺への直接的な圧迫や強い刺激は、子宮収縮を引き起こすリスクがあります。
痩身エステで使われるような深部組織へのアプローチや、腹部を中心としたオイルマッサージは妊娠中には不向きです。うつ伏せでの全身施術も、お腹への負担が大きくなるので避けるべきです。
妊婦さん向けのマッサージでは、横向きの体位を基本とし、背中や肩、脚など負担の少ない部位に施術を限定しているサロンを選びましょう。
刺激の強い施術・器具使用
強い圧をかける手技や、電気を用いた機器による施術は妊娠中にはNGです。特に、痩身やセルライト除去を目的とした器具は刺激が強すぎ、母体への負担やトラブルを招く可能性があります。
カイロプラクティックや骨盤調整も、妊娠中は慎重に行う必要があり、経験豊富なスタッフによる判断が欠かせません。
妊婦さんへの施術は、あくまでリラクゼーションと血行促進を目的とした優しい手技が基本です。
アロマオイルの選び方
アロマオイルには子宮収縮を促す成分を含むものがあり、妊娠中の使用には注意が必要です。シナモンやローズマリー、クラリセージなどは避け、ラベンダーやカモミールといった穏やかな香りを選ぶのが基本です。
オイルの選択を誤ると、母体や赤ちゃんへの影響が懸念されるため、サロンで使用するオイルについて事前に確認しましょう。
妊婦さんの体調や状態に合わせて、安全なオイルのみを使用しているサロンを選ぶことが大切です。
血栓リスク・既往症がある場合
妊娠中は血液が固まりやすく、深部静脈血栓症のリスクが高まります。
既往症として心疾患や高血圧、妊娠糖尿病などがある場合は、リンパマッサージ自体が身体に負担をかける可能性があります。
必ず医師の許可を得てから施術を受けるようにしましょう。サロンでのカウンセリング時には、既往症の有無を正直に伝えることが、安全な施術を受けるための第一歩です。
妊娠中に強い刺激を避けたいツボ

妊娠中は特定のツボへの刺激が子宮収縮を促し、早産や流産のリスクを高める可能性があります。続いては、妊娠中に強い刺激を避けたいツボを解説します。
肩井(けんせい)
肩井は首と肩の境目、肩の中央に位置するツボです。肩こりの緩和に効果的ですが、妊娠中は子宮収縮を促す可能性があり、強い刺激は避けるべきです。
合谷(ごうこく)
合谷は手の甲、親指と人差し指の骨が交わる部分にあるツボです。痛みの緩和に用いられますが、妊娠中は子宮への影響が懸念されるため、施術時には注意が必要です。
三陰交(さんいんこう)
三陰交は内くるぶしから指4本分上に位置し、婦人科系の不調に効くツボです。ただし、妊娠中は子宮収縮を引き起こす可能性が高く、施術では絶対に刺激を避けるべきポイントです。
太衝(たいしょう)
太衝は足の甲、親指と人差し指の骨の間にあるツボです。ストレス緩和に有効ですが、妊娠中は血流を急激に促し、身体への負担が大きくなるおそれがあります。
安全にリンパマッサージを受けるための注意点

妊娠中のリンパマッサージは、適切な知識と配慮があってこそ安全に実施できます。
続いては、妊婦さんが安心してリンパマッサージを受けるために欠かせない注意点を解説します。
医師と相談をする
妊娠中の身体は個人差が大きく、経過や体調によってはリンパマッサージが適さない場合もあります。施術を受ける前には必ず医師に相談し、許可を得るよう妊婦さんに促すのがセラピストの役割です。
既往症や合併症がある場合は特に慎重な判断が必要で、医師の意見を無視した施術はトラブルの原因になります。
サロンでも事前カウンセリングで医師の許可について確認されることがあります。これは妊婦さんの安全を守るための対応なので、正直に伝えましょう。
アロマオイルに注意する
妊娠中は香りに敏感になり、つわりの症状が強い時期には特定のアロマが不快に感じられます。また、子宮収縮を促すオイルは母体や赤ちゃんへの影響が懸念されるため、選択には細心の注意が必要です。
サロンでは妊婦さん専用のアロマオイルを用意していることが多いので、事前に香りを確認させてもらう配慮をお願いしましょう。
もし香りが苦手だと感じたら、遠慮せずにスタッフに伝えることが大切です。
強い刺激は避ける
妊娠中のリンパマッサージは、優しくゆっくりとした手技が基本です。強い圧や急激な動きは血圧の変動を招き、母体に負担をかける可能性があります。
施術中に「痛い」「強すぎる」と感じたら、すぐにスタッフに伝えるようにしましょう。心地よさを感じる程度の刺激が理想的です。
体調変化時は即座に中断
妊娠中は施術中に体調が急変するケースもあります。お腹の張りやめまい、吐き気といった症状が現れた場合は、すぐに施術を中断してもらい、安静にすることが必要です。
遠慮せずに自分の身体の声に耳を傾け、少しでも違和感があればスタッフに伝えましょう。体調を最優先に考えることが、安全な施術を受けるための基本です。
施術後の水分補給と休息
リンパマッサージ後は老廃物が流れやすくなり、身体が疲れを感じやすい状態です。施術後は十分な水分補給を行い、ゆっくりと休息を取るようにしましょう。
急に立ち上がると血圧が変動し、めまいを起こす可能性もあるため、ゆっくりとした動作を心がけてください。
施術後のアフターケアについても、サロンで説明を受けることをおすすめします。
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自宅でできるセルフマッサージのやり方

妊娠中は頻繁にサロンへ通うのが難しく、自宅でのセルフケアが重要になります。
ここでは、自宅で手軽に実践できるセルフマッサージのポイントを解説します。
やさしい力で下から上へ流す
セルフマッサージの基本は、リンパの流れに沿って下から上へ優しく撫でる手技です。足首から太もも、手首から肩へと、心臓に向かってゆっくりと流すイメージで行います。
強い力は必要なく、皮膚の表面を滑らせる程度の圧で十分効果があります。むくみや疲れを感じる部位を中心に、1日5分程度のケアを習慣にするだけでも血液循環が改善されます。
保湿クリームの活用
妊娠中は肌が乾燥しやすく、摩擦による刺激を避けるため保湿クリームの使用が推奨されます。クリームを手に取り、温めてから肌に伸ばすと滑りが良くなり、マッサージがスムーズに行えます。
妊婦さん向けの低刺激なボディクリームを選び、香りの強いものは避けるのが無難。毛穴の洗浄効果も期待でき、肌のハリやツヤを保つケアにもつながります。
横向きやシムスの体位で行う
お腹が大きくなる妊娠中期以降は、横向きやシムスの体位で行いましょう。仰向けや座った姿勢では子宮が血管を圧迫するおそれがあり、長時間の施術は避けるべきです。
クッションを使って身体のバランスを整え、リラックスした状態がポイント。無理のない姿勢を保つことが、母体と赤ちゃんへの負担を最小限にする鍵です。
パートナーに協力してもらう
妊娠中は身体の可動域が制限され、背中や腰など手の届きにくい部位のケアが難しくなります。パートナーに協力してもらい、優しく撫でるようなマッサージをお願いするのも効果的です。
リラクゼーション効果が高まるだけでなく、コミュニケーションの時間としても大切な役割を果たします。二人で赤ちゃんを迎える準備として、マッサージの時間を楽しんでみてください。
妊娠中のリンパマッサージでよくある質問

妊娠中のリンパマッサージには多くの疑問や不安がつきものです。最後に、妊娠中のリンパマッサージに関する代表的な質問とその回答を紹介します。
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