首や鎖骨、脇の下などを触ったときに感じるゴリゴリとした感触。「リンパが詰まっているサイン」と聞いた方もいらっしゃるでしょう。
実際にはリンパ液そのものが固まっているわけではなく、筋肉の緊張や老廃物の蓄積によって生じる身体からのサインです。
この記事では、ゴリゴリの正体から原因、危険なサイン・正しいほぐし方まで解説します。
日常生活でできる改善方法についてもご紹介しますので、ゴリゴリが気になる方、むくみや疲労感にお悩みの方は、ぜひ参考にしてください。
リンパの詰まりでゴリゴリになる?

リンパは全身の健康維持に欠かせない存在ですが、その機能が停滞するとさまざまな不調につながることがあります。
ここでは、リンパ液が体内をどのように巡り、なぜ詰まりが生じるのか、そしてゴリゴリの感触の本当の原因について見ていきます。
リンパの役割
リンパは、血管と並んで全身を巡る重要な循環システムです。体内の老廃物や余分な水分、細菌やウイルスなどを回収し、体外へ排出する働きを担っています。
血液が心臓のポンプ作用で循環するのに対し、リンパ液は筋肉の収縮や呼吸、関節の動きによってゆっくりと流れる仕組みです。
また、リンパ節という中継地点でフィルター機能を果たし、免疫細胞が異物をチェックします。
実は、リンパ液は元々血液の一部です。毛細血管から約2割の血液がリンパに流れ、赤血球が取り除かれて透明なリンパ液として循環しています。
つまり、リンパは美容面だけでなく、身体の免疫機能や代謝の維持にも深く関わる存在です。
老廃物が流れるしくみ
細胞が活動すると、タンパク質や脂質などの老廃物が発生します。これらは血液だけでは処理しきれないため、リンパ管が回収して運搬する役割を果たします。
リンパ液は皮膚のすぐ下を流れ、各所にあるリンパ節を通過しながら浄化され、最終的に鎖骨周辺の静脈へ戻る流れです。
そのため、心臓から遠い部分ほど重力の影響を受けやすく、下半身や末端の老廃物は滞りやすい傾向があります。
リンパの流れが停滞するしくみ
リンパには心臓のようなポンプがないため、筋肉の動きや呼吸、血管の拍動によって押し流されます。そのため、長時間同じ姿勢でいたり運動不足が続いたりすると、筋肉の収縮が減り、リンパの流れが滞ってしまうことがあります。
また、冷えによって血行が悪化すれば、リンパの循環も鈍くなります。ストレスや水分不足、塩分過多な食事も体内の水分バランスを乱し、リンパ液の粘度を高める原因に。
このような複数の要因が重なると、老廃物が排出されにくい状態が続き、身体に負担ががかかりやすくなります。
特に加齢によっても筋肉量が減少するため、意識的なケアが大切です。
リンパのゴリゴリの正体
首や鎖骨、脇の下で感じるゴリゴリは、リンパ液そのものが固まったものではありません。正体は、筋肉の緊張や疲労によってできたコリの塊、あるいは周辺組織に蓄積した老廃物の影響と考えられます。
リンパの流れが滞ると、その付近の筋肉や皮膚の下に余分な水分や代謝物が溜まりやすくなります。触るとゴリゴリした感触になるのは、筋繊維が凝り固まり、周囲の組織と癒着している状態だからです。
リンパ節自体が腫れているわけではないケースがほとんどですが、違和感が続くなら医師に相談されることをおすすめします。
筋肉の緊張がゴリゴリを引き起こす理由
長時間のデスクワークやスマホ操作で首や肩が前に出る姿勢が続くと、特定の筋肉に過度な負担がかかります。筋肉が緊張状態を保つと血流が悪化し、酸素や栄養が届きにくくなります。
結果として筋繊維は硬くなり、さらに疲労物質や老廃物が滞留しやすくなる悪循環に。この硬結が触診でゴリゴリとした感触として現れます。
危険なしこりと改善するゴリゴリの違い
触ってわかるゴリゴリの多くは筋肉の緊張や一時的なリンパの滞留ですが、まれに注意すべき症状もあります。注意したいしこりは、以下のような特徴があります。
- 数週間経っても大きさが変わらない
- 徐々に大きくなる
- 痛みがない
- 硬くて動かない など
リンパ節の腫れが長引く場合は、感染症や免疫の異常、まれに腫瘍の可能性も考えられます。
一方、ケアで改善するゴリゴリは、以下のような点で見分けられます。
- 軽く押すと痛みを感じる
- 入浴後や運動後に柔らかくなる
- 左右差がある
- マッサージで変化がある など
ただし、少しでも不安があれば、早めに医療機関を受診しましょう。
リンパが詰まる主な原因

リンパの流れが滞る背景には、日常生活のさまざまな習慣が関係しています。
続いては、リンパが詰まりやすくなる具体的な要因を5つのポイントに分けて解説します。
水分不足
体内の水分が不足すると、リンパ液の粘度が高まり、流れが鈍くなります。リンパ液はもともと血液から染み出た成分でできており、水分量が減ればサラサラと流れにくくなるのは自然なことです。
特に、カフェインやアルコールは利尿作用があり、摂取後は体内の水分が失われやすくなります。そのため、喉が渇いたと感じる前にこまめな水分補給を心がけるのが理想です。
1日あたり1.5〜2リットル程度を目安に、常温の水や白湯を少しずつ飲む習慣をつけましょう。
運動不足
リンパの流れは筋肉の収縮によって促されるため、運動不足はそのまま循環の停滞につながります。
座りっぱなしの時間が長いデスクワークや、移動手段が車中心の生活では、下半身の筋肉がほとんど使われません。
特にふくらはぎは、「第二の心臓」と呼ばれ、歩く動作でポンプのように血液やリンパ液を押し上げます。運動習慣がないと、この作用が働かず、脚のむくみや疲労感が蓄積しやすくなります。
血行不良
血液とリンパ液は別々の管を通りますが、血行が悪ければリンパの流れも滞りやすくなります。
冷えや喫煙、きつい下着や衣服の締め付けは血管を収縮させ、全身の循環機能を低下させる原因です。
特に女性は、筋肉量が少なく冷えやすいため、血行不良になりやすい傾向があります。入浴で身体を温めたり、首・手首・足首といった「首」がつく部分を冷やさないよう意識しましょう。
ストレス・睡眠不足
精神的なストレスや慢性的な睡眠不足は、自律神経のバランスを乱すことがあります。
交感神経が優位になりすぎると、血管が収縮して血流が悪化し、結果的にリンパの流れも停滞しやすくなります。
また、睡眠中は副交感神経が働き、身体の修復や老廃物の排出が行われる大切な時間です。睡眠が不足すれば、この機能が十分に発揮されず、疲労物質が体内に残りやすくなります。
食生活の乱れ
塩分の多い食事は体内に水分を溜め込み、むくみを引き起こしやすくなります。インスタント食品や外食が続くと、塩分過多になりやすく、リンパの流れにも悪影響を及ぼすことがあります。
また、脂質や糖質の摂りすぎは血液をドロドロにし、循環機能全体を低下させる原因に。反対に、カリウムを含む野菜や果物、良質なタンパク質はむくみの改善に効果的です。
あわせて、水分代謝を整えるビタミンB群やミネラルもバランスよく摂取しましょう。
ゴリゴリが起きやすい場所と特徴的な症状

リンパの詰まりによるゴリゴリは、身体の特定の部分に現れやすい傾向があります。
ここでは、ゴリゴリが発生しやすい代表的な部位と、そこで起こりやすい症状をみていきましょう。
鎖骨周りは全身のリンパ渋滞のサイン
鎖骨の内側には、全身のリンパ液が最終的に静脈へ合流する重要な位置があります。ここが詰まると、全身から集まってきた老廃物がスムーズに排出されず、むくみや疲労感が全身に広がりやすくなります。
また、鎖骨周辺がゴリゴリしていたり、触ると痛みを感じたりする場合は、身体全体の循環が滞っているサイン。
デスクワークやスマホの使用で肩が内側に入る姿勢が続くと、胸鎖乳突筋や周辺の筋肉が緊張し、鎖骨まわりの流れを妨げてしまうからです。
脇(腋窩リンパ節)は肩こりとの関連が強い
脇の下には腋窩リンパ節があり、腕や胸、背中からのリンパ液が集まります。
肩まわりや肩甲骨の筋肉が緊張すると、この部分の流れが滞りやすくなります。肩こりがひどい人ほど、脇の下を押すと痛みやゴリゴリ感を感じやすい傾向に。
また、ブラジャーの締め付けやバッグを同じ肩にかけ続ける習慣も、腋窩リンパ節への負担となることがあります。
膝裏(膝窩リンパ節)は下半身のむくみと直結
膝の裏には膝窩リンパ節があり、足先から上がってきたリンパ液が集まる中継地点です。
長時間の立ち仕事や座り仕事で脚を動かさない状態が続くと、ひざ裏の流れが停滞し、ふくらはぎや足首のむくみが起こりやすくなります。
膝裏を触ってゴリゴリしていれば、下半身のリンパが滞っている可能性があります。お風呂上がりに膝裏を優しくさすったり、ひざを曲げ伸ばしするストレッチを取り入れたりすると、脚全体の巡りが良くなります。
鼠径部は脚のだるさ・冷えに影響
太ももの付け根にある鼠径部には、下半身の老廃物を集める重要なリンパ節が存在します。座りっぱなしの姿勢や脚を組む癖があると、鼠径部が圧迫されてリンパの流れが妨げられることがあります。
この部分が詰まると、脚全体のだるさにもつながります。骨盤周りの血流も悪化するため、生理痛や腰痛にも影響を及ぼす可能性があります。
首・耳下・顎下はストレス・歯の食いしばりも関係
首や耳の下、顎の下には複数のリンパ節が点在し、顔や頭部の老廃物を受け取る役割を果たします。
たとえば、ストレスや緊張で歯を食いしばる癖があると、顎周辺の筋肉が硬直し、リンパの流れが悪化することがあります。
また、長時間のスマホ操作で首が前に出る姿勢が続けば、首の筋肉が緊張してゴリゴリ感が強まります。この部分が詰まると、顔のむくみやくすみ、目の疲れ、頭痛なども引き起こしてしまうことがあります。
放置するとどうなる?リンパの詰まりによる症状

リンパの流れが滞った状態を放置すると、一時的な不調が慢性化し、美容や健康に深刻な影響を及ぼす可能性があります。
ここでは、リンパの詰まりが招く代表的な症状について解説します。
慢性疲労・むくみ・冷え・だるさが悪化する
リンパの流れが悪い状態が続くと、老廃物や余分な水分が体内に蓄積し、慢性的な疲労感やだるさを引き起こしやすくなります。
朝起きても疲れが取れない、夕方になると脚がパンパンに張る、といった症状が日常化することがあります。
また、リンパの停滞は血行不良とも連動しているため、手足の冷えが悪化しやすくなります。冷えは筋肉を硬くし、リンパの流れを妨げる原因にもなりやすいです。
老廃物停滞で肌荒れ・くすみ・代謝低下につながる
リンパが詰まると、皮膚の下に老廃物が溜まりやすくなり、肌のターンオーバーが乱れます。その結果、吹き出物や乾燥、くすみといった肌トラブルが起こりやすくなります。
また、老廃物の蓄積は細胞への栄養供給を妨げるため、肌のハリや弾力も失われていきます。さらに、リンパの流れが悪いと基礎代謝が低下し、痩せにくく太りやすい体質になる可能性もあります。
美容面でも健康面でも、リンパの巡りは重要な役割を果たしています。
免疫力が低下し風邪・不調が起こりやすくなる
リンパは免疫システムの一部であり、体内に侵入した細菌やウイルスを排除する機能を持っています。
リンパ節では病原菌や癌細胞などの老廃物を回収し、無毒化する作用があるため、リンパの流れが滞ると、この防衛作用が十分に働きにくくなることがあります。
その結果、風邪をひきやすくなったり、体調を崩しやすくなったりすることも。また、慢性的な疲労や睡眠不足と相まって、身体全体の抵抗力が低下しやすくなります。
季節の変わり目に体調を崩しやすい方は、リンパの流れが滞っている可能性もあるかもしれません。
肩こり・腰痛・頭痛など筋肉疲労が連鎖する
リンパの詰まりによって老廃物が排出されにくくなると、筋肉に疲労物質が蓄積し、コリや痛みが慢性化しやすくなります。
特に、首や肩、腰といった負担のかかりやすい部分では、筋肉の緊張とリンパの停滞が互いに影響し合い、症状を悪化させることがあります。
肩こりがひどくなれば頭痛を、腰痛は姿勢の悪化を招いて、全身のバランスを崩しかねません。
リンパの詰まりを改善するには、正しい知識と技術が必要です。セルフケアも大切ですが、専門的な施術を学ぶことで、より効果的なケアが可能になります。
一般社団法人メディカルエステ協会では、リンパの仕組みから実践的なマッサージ技術まで、プロの講師が丁寧に指導します。自分自身のケアはもちろん、家族や大切な人の健康をサポートする技術を身につけませんか?
リンパの流れの改善方法

最後に、リンパの流れを整える方法を紹介します。どれも日常生活に取り入れやすいものなので、ぜひ参考にしてください。
鎖骨周りを流すケアが重要
リンパケアの基本は、鎖骨周りから始めるのが原則です。全身のリンパ液が最終的に合流する場所であり、ここが詰まっているとほかの部分をいくらほぐしても効果が半減します。
鎖骨の内側を親指以外の4本の指で、中心から外側へ向かって優しくさすりましょう。左右それぞれ10回ずつ行うだけで、首や顔のむくみがすっきりします。
リンパマッサージ
リンパマッサージは、リンパの流れる方向に沿って優しく皮膚をさする手技です。強く押す必要はなく、心臓に向かって流すイメージで行います。
脚なら足首から膝裏、膝裏から鼠径部へ、腕なら手首から脇へ向かってさすりましょう。皮膚のすぐ下を流れる浅いリンパには軽いタッチで、筋肉周りの深いリンパには少し圧をかけて、ゆっくりと流すのがポイントです。
お風呂上がりの身体が温まった状態で行うと、血流も良くなっているため効果が高まります。
湯船に浸かる
シャワーだけで済ませず、湯船にゆっくり浸かる習慣は、リンパケアにおいて非常に効果的です。温熱作用で血管が広がり、血流が促進されると、リンパの流れも自然と良くなります。
また、水圧によって全身が適度に圧迫され、停滞していたリンパ液が押し流されやすくなります。38〜40度程度のぬるめのお湯に15〜20分ほど浸かることが理想です。入浴中に軽く身体をさすったり、関節を動かしたりしましょう。
適度な水分補給
リンパ液の主成分は水分であり、体内の水分量が不足すれば流れが悪くなります。一度にたくさん飲むのではなく、コップ1杯程度をこまめに摂取するのがポイントです。
たとえば、起床時、食事の前後、入浴前後、就寝前といったタイミングで意識的に飲みましょう。
座りっぱなしを避ける工夫
デスクワークで長時間同じ姿勢を続けると、下半身の筋肉がほとんど動かず、リンパの流れが停滞しやすくなります。1時間に一度は立ち上がり、軽く歩いたり、屈伸運動をしたりしましょう。
ほかにも、足首を回す、つま先立ちを繰り返すといった簡単な動作もおすすめです。椅子に座ったままでも、膝を上げ下げする、脚を前に伸ばして足首を動かすといった工夫で血流の改善が期待できます。
肩・股関節のストレッチ
肩や股関節といった大きな関節周りには、主要なリンパ節が集まっています。これらの関節が硬くなると、周辺のリンパの流れが妨げられるため、日頃からストレッチで柔軟性を保ちましょう。
特に、肩を大きく回す、肩甲骨を寄せたり開いたりする動きは、肩まわりの筋肉をほぐし、腋窩リンパ節への流れを促します。股関節は、あぐらの姿勢で膝を上下に動かす、脚を前後に開いて腰を落とすといったストレッチが効果的です。
塩分やカフェインの摂りすぎに注意
塩分を摂りすぎると、体内の水分バランスが崩れてむくみやすくなります。そのため、カリウムを多く含む野菜や果物を積極的に摂り、余分な塩分を排出するよう心がけましょう。
カフェインは適量なら問題ありませんが、摂りすぎると利尿作用で体内の水分が失われ、リンパ液の粘度が高まるため注意してください。
リンパケアで健やかな身体づくり
リンパの詰まりによるゴリゴリの正体は、筋肉の緊張や老廃物の蓄積によるものです。放置すれば、むくみや疲労、冷え、肌荒れといった症状につながる可能性があります。
そのため、日常的なセルフケアが大切です。鎖骨周りを中心としたリンパマッサージ、湯船での入浴、適度な水分補給やストレッチ、食生活の見直しをしましょう。
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